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PayPay加盟店の売上金の入金について

「PayPayで決済を受け付けたけど、いつ売上金が振り込まれるの?」PayPayを導入した加盟店の方から、よく聞かれる質問です。

キャッシュレス決済は便利ですが、現金と違って即座に手元に入るわけではありません。お店の資金繰りを考えると、入金タイミングは非常に重要なポイントです。この記事では、PayPay加盟店における売上金の入金サイクルから、急ぎで資金が必要な場合の対応方法まで、実務に役立つ情報を詳しく解説します。

PayPay加盟店の基本的な入金サイクル

PayPayでは、売上金を受け取る方法が3つ用意されています。それぞれの特徴を理解して、店舗の運営状況に合わせた選択をすることが大切です。

入金方法の3つの選択肢

入金方法締日入金日振込手数料サービス利用料事前申込
通常入金(月1回)月末締めPayPay銀行:翌日
その他金融機関:翌々営業日
無料無料不要
早期振込サービス(都度)振込依頼時点までPayPay銀行:翌日
その他金融機関:翌々営業日
PayPay銀行:20円
その他金融機関:200円
振込金額の0.38%不要
早期振込サービス(自動)指定金額超過時PayPay銀行:翌日
その他金融機関:翌々営業日
PayPay銀行:20円
その他金融機関:200円
振込金額の0.38%必要

上記の表からわかるように、コストを抑えるなら月1回の通常入金が最適です。振込手数料とサービス利用料がかからないため、毎月の固定費を削減できます。

月末締めで最短翌日入金という点も魅力的です。例えば、1月31日が締日の場合、PayPay銀行を利用していれば2月1日には口座に入金されます。他の金融機関でも、翌々営業日には振り込まれるため、比較的早いサイクルで資金を受け取れます。

通常入金の仕組み詳細

通常入金は、毎月末日に売上が締められ、システム上で入金処理が開始されます。この処理は締日の午前5時以降から順次行われ、指定した金融機関の口座へ振り込まれる流れです。

注意したいのは、月末が金融機関の休業日(土日祝日など)の場合です。この場合、入金は前営業日に繰り上げられることはなく、次の営業日に持ち越されます。資金繰りを考える際は、カレンダーをチェックして入金予定日を正確に把握しておきましょう。

売上金から差し引かれるのは、決済手数料やPayPayマイストアの月額利用料などです。これらのシステム利用料が相殺された金額が、実際に口座へ振り込まれます。

早期振込サービスの活用方法

「月末まで待てない」「急な仕入れが必要になった」そんな時に便利なのが早期振込サービスです。2種類のサービスから、利用シーンに合わせて選択できます。

早期振込サービス(都度)の使い方

早期振込サービス(都度)は、必要な時に管理画面から申請するタイプです。事前の申し込みが不要なため、急に資金が必要になった場合でもすぐに利用できます。

具体的な利用手順は以下の通りです:

  1. PayPay for Business(管理画面)にログイン
  2. 加盟店(ブランド)アカウントに切り替え
  3. 振込依頼メニューから申請

振込依頼をした時点までの未入金取引がすべて対象となります。例えば、15時に申請した場合、当日15時以降から翌日の午前0時を過ぎて締め処理が開始されるまでの取引も含まれる点が特徴です。

ただし、毎月1日は締め処理の関係で振込依頼ができません。月初に資金が必要な場合は、前月末までに申請しておく必要があります。

早期振込サービス(自動)の設定

早期振込サービス(自動)は、振込可能金額が指定した金額を超えると自動的に入金されるシステムです。こちらは事前の申し込みが必要ですが、一度設定すれば手間がかかりません。

設定できる金額は次の2パターンです:

  • 1円以上(毎日1円以上の売上があれば自動入金)
  • 1万円~10万円(1万円単位で設定可能)

1円に設定した場合、売上が発生する度に翌日入金となるため、資金繰りは非常に楽になります。ただし、振込の度に手数料が発生するため、コストとメリットのバランスを考える必要があります。

このサービスは年商10億円未満の加盟店が対象となっており、決済サービスの利用状況によっては利用できない場合もあります。

PayPay資金調達について

PayPay資金調達というファクタリングのような仕組みの無担保無保証で資金調達できるサービスがあります。

詳細はこちら PayPay資金調達ファクタリングと手数料と比較

PayPay銀行とその他金融機関の違い

振込先の金融機関によって、入金スピードと手数料に差が出ます。

入金スピードの比較

金融機関通常入金早期振込サービス
PayPay銀行翌日入金翌日入金
その他金融機関翌々営業日入金翌々営業日入金
ゆうちょ銀行翌々営業日入金4営業日後入金

PayPay銀行を指定口座にすると、1営業日早く入金されます。月末締めの場合、その差はわずかですが、早期振込サービスを頻繁に利用する店舗では大きな違いになります。

特にゆうちょ銀行は早期振込サービスで4営業日後になるため、急ぎの資金調達には向いていません。

振込手数料の比較

早期振込サービスを利用する場合の手数料は以下の通りです:

金融機関振込手数料サービス利用料
PayPay銀行20円/回振込金額の0.38%
その他金融機関200円/回振込金額の0.38%

PayPay銀行の場合、振込手数料が20円と非常に低コストです。他の金融機関が200円かかることを考えると、10倍の差があります。

サービス利用料は振込金額の0.38%で、どの金融機関でも同じです。例えば、10万円の売上を早期振込する場合:

PayPay銀行の場合

  • サービス利用料:100,000円 × 0.38% = 380円
  • 振込手数料:20円
  • 合計:400円

その他金融機関の場合

  • サービス利用料:100,000円 × 0.38% = 380円
  • 振込手数料:200円
  • 合計:580円

この差は1回あたり180円ですが、頻繁に利用すると年間で大きな金額になります。早期振込サービスを定期的に使う予定があるなら、PayPay銀行の事業用口座を開設しておくことをおすすめします。

入金サイクルの確認と変更方法

現在の入金サイクル設定がわからない場合や変更したい場合は、管理画面から簡単に確認・変更できます。

確認方法の手順

  1. PayPay for Businessにログイン
  2. 加盟店(ブランド)アカウントに切り替え
  3. 「設定」メニューを選択
  4. 「ブランドプロフィール」を開く
  5. 振込サイクルの項目を確認

店舗(ストア)アカウントでは振込サイクルが確認できないため、必ず加盟店(ブランド)アカウントに切り替える必要があります。

権限についても注意が必要です。振込サイクルを確認・変更できるのは:

  • 加盟店管理者アカウント
  • 機能権限「プロフィールの参照」が付与されたサブユーザー

これらの権限を持つアカウントでログインしましょう。

変更時の注意点

振込サイクルを早期振込サービス(自動)に変更する場合、翌日から反映されます。ただし、午前0時から5時の間に設定変更を行った場合は、当日中に反映される可能性があります。

設定金額の変更も同様で、変更後すぐには適用されません。タイミングによっては、旧設定での入金が行われることもあるため、変更する際は余裕を持って手続きしましょう。

入金されない場合のトラブルシューティング

「入金予定日なのに振り込まれていない」という場合、いくつかの原因が考えられます。

よくある原因と対処法

1. 入金処理のタイミング

売上金は入金予定日の午前5時以降に順次処理されます。朝一番で口座を確認して入金されていなくても、慌てる必要はありません。通常、午前中から昼頃にかけて入金が完了します。

2. 金融機関の営業日

入金予定日が金融機関の休業日(土日祝日)の場合、入金は翌営業日にずれ込みます。例えば、入金予定日が土曜日なら、実際の入金は月曜日になります。

3. 振込金額が手数料を下回る

早期振込サービスを利用する場合、振込金額が手数料を下回ると振込依頼が無効になります。未入金の売上が少ない場合は、もう少し売上が積み上がってから申請しましょう。

4. 口座情報の誤り

登録している口座情報に誤りがあると、振込エラーになる可能性があります。管理画面から口座情報を再確認してください。

これらを確認しても入金がない場合は、PayPayのサポートに問い合わせることをおすすめします。

他の決済サービスとの入金サイクル比較

PayPayの入金サイクルは、他のキャッシュレス決済サービスと比べてどうなのでしょうか。

サービス基本入金サイクル最短入金振込手数料
PayPay月1回(月末締め)翌日~翌々営業日月1回は無料
Square最短翌日最短翌日無料
PayCAS Mobile月2回15日・月末200円/回
楽天ペイ最短翌日最短翌日楽天銀行:無料<br>その他:220円/回

Squareは売上日の最短翌日入金という点で、入金スピードに優れています。頻繁に入金が必要な店舗には魅力的な選択肢です。

PayCAS Mobileは月2回の入金サイクルで、15日締め月末払い、月末締め翌月15日払いというスケジュールです。複数の決済サービスの売上をまとめて入金してくれる点が便利です。

PayPayは月1回の基本入金が無料という点で、コスト面でのメリットが大きいといえます。また、早期振込サービスという選択肢があるため、柔軟な資金管理が可能です。

資金繰りを改善する実践的なアドバイス

入金サイクルを理解したうえで、実際の店舗運営にどう活かすかが重要です。

月1回入金を基本にする

コストを最小限に抑えるなら、基本は月1回の無料入金を利用しましょう。月末締めで翌日入金されるため、翌月1日には資金が使えます。

この方法なら、振込手数料もサービス利用料も一切かかりません。年間で考えると、大きなコスト削減になります。

緊急時だけ早期振込を利用

急な仕入れや予期せぬ支出が発生した場合のみ、早期振込サービス(都度)を利用するのが賢明です。申し込み不要でいつでも使えるため、必要な時だけ活用すればコストを抑えられます。

例えば、以下のような場面で活用できます:

  • 季節商品の緊急仕入れが必要になった
  • 設備の故障で急な修理費用が発生した
  • スタッフへの臨時手当を支払う必要が出た

自動入金の活用は慎重に

早期振込サービス(自動)は便利ですが、振込の度に手数料が発生します。毎日売上がある店舗で1円設定にすると、月30回の振込で手数料だけでもかなりの金額になります。

月30回振込した場合の年間コスト(PayPay銀行)

  • 振込手数料:20円 × 30回 × 12ヶ月 = 7,200円
  • サービス利用料:売上額による

資金繰りに余裕がある場合は、できるだけ月1回の無料入金を利用する方が経済的です。

PayPay銀行の事業用口座を検討

早期振込サービスを頻繁に利用する可能性がある店舗は、PayPay銀行の事業用口座を開設しておくことをおすすめします。

2025年5月26日から、PayPay銀行の法人・個人事業主口座の振込手数料が業界最低水準に引き下げられました。PayPay加盟店としての売上入金だけでなく、通常の事業用振込でもメリットがあります。

複数の決済手段を組み合わせる

PayPayだけでなく、入金サイクルの異なる複数の決済サービスを導入するのも一つの方法です。

例えば:

  • PayPay:月1回の無料入金で基本的な資金確保
  • Square:急ぎの資金需要に対応(翌日入金)
  • クレジットカード:大口決済の受け入れ

このように使い分けることで、資金繰りの安定性を高められます。

入金管理で注意すべきポイント

売上金の入金管理では、以下の点に注意が必要です。

システム利用料の把握

入金される金額は、売上金から各種手数料が差し引かれた後の金額です。

差し引かれる主な項目:

  • 決済手数料(1.6%または1.98%)
  • PayPayマイストア月額利用料(ライトプラン利用時)
  • 早期振込サービス利用料(利用時)
  • 振込手数料(早期振込サービス利用時)

例えば、売上10万円でライトプラン(決済手数料1.6%)を利用している場合:

  • 売上金:100,000円
  • 決済手数料:100,000円 × 1.6% = 1,600円
  • 入金額:98,400円

実際の入金額と売上金額に差があるのは正常なことです。管理画面で詳細を確認できるため、定期的にチェックしましょう。

振込サイクルの記録

いつ、いくら入金される予定かを記録しておくことが大切です。特に早期振込サービスを利用した場合、通常入金と早期入金が混在するため、管理が複雑になります。

簡単なExcelシートやカレンダーアプリで、以下の情報を記録しておきましょう:

  • 振込依頼日
  • 対象期間の売上金額
  • 入金予定日
  • 実際の入金日
  • 入金額

返金処理への対応

顧客への返金が発生した場合、その金額は次回の入金時に相殺されます。返金額が大きい場合、入金額が予想より少なくなるため、資金繰りに影響が出る可能性があります。

返金が発生した場合は、その金額を記録し、次回入金時の減額を想定しておきましょう。

入金サイクルの最適化チェックリスト

最後に、自店舗に最適な入金サイクルを見つけるためのチェックリストをまとめます。

□ 月次の売上規模を把握している 売上が安定していれば、月1回の入金でも問題ありません。

□ 仕入れサイクルを理解している 仕入れの支払いタイミングと入金タイミングを合わせることが重要です。

□ 現金の手持ち余裕を確認している 2~3ヶ月分の運転資金があれば、月1回の入金で十分です。

□ 早期入金の必要頻度を予測している 月に何回早期入金が必要かで、コストが大きく変わります。

□ 利用する金融機関を選定している PayPay銀行か、その他の金融機関かで、手数料と入金スピードが変わります。

□ 複数決済手段の組み合わせを検討している PayPay以外の決済サービスとの併用で、資金繰りが安定します。

□ 管理体制を整えている 振込履歴の記録、売上の管理、手数料の把握ができる体制があるか確認しましょう。

これらの項目をチェックすることで、自店舗に最適な入金サイクルが見えてきます。

まとめ

PayPay加盟店の売上金入金は、基本的に月1回・月末締めで無料入金されるシステムです。この方法なら余計なコストをかけずに、安定した資金管理ができます。

一方で、急に資金が必要になった場合は、早期振込サービスという選択肢があります。都度申請タイプなら事前申し込み不要で、必要な時だけ利用できるため、柔軟な資金繰りが可能です。

重要なのは、自店舗の資金状況や事業サイクルに合わせて、最適な入金方法を選択することです。コストと利便性のバランスを考えながら、効率的な資金管理を実現しましょう。

入金サイクルの確認や変更は管理画面から簡単にできます。定期的に見直して、常に最適な設定を維持することをおすすめします。


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