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【コラム】疎開列車

2006昭和の初期、戦時中の話だが、東京や大阪など都市部の民衆は敵国の空襲から身を守る為に過疎地へ疎開していたという話を聞いたことがある。当時の国鉄なのか疎開列車などと呼ばれる路線があったそうだ。早い者勝ちであったり、なんらかの優先権がある人から疎開列車に乗る事ができたらしい。
話は変わって消費者金融の規制に関する法案が提出された場合、こんな状況が想像できる。
大手消費者金融各社は年率18%の金利規制になることを見越して、優良顧客の囲い込み合戦を始める。他社利用件数3件以内の顧客層を自社単独枠でまとめる作戦。現状100万円枠の自社顧客が他社で2件~3件150万円程度利用している場合、「当社で300万円の利用枠を用意しましたので…」などと案内するのだ。利用者からすれば現状よりも金利が下がり、複数借入の煩わしさもなくなる為この上ないサービス供給となる。問題はこのおまとめ戦争に直接参入する体力の無い中小消費者金融だ。もともと他社3件以上借入の顧客が自社債権の大幅な部分を占めているため全体債権のリスク自体が大手よりも高くなりがち。そこにきて他社利用1~3件の優良顧客にあたる部分の債権を大手にあっさりと奪われていく状況が予想できる。大手各社は法施行以降の運営目処が立っているため早期に優良顧客への低金利切り替えを実施できるが、中小金融はそのような手段をとるにとれない経営環境が拍車をかける。
業界全体の融資残高の大半は大手数社でしめられている。しかも大手数社の顧客層は他社借入の無い顧客が多い。大手消費者金融は融資残高が膨大で多重債務が少ないゾーンとなる(借入件数の過疎地)。対して中小金融利用者は4件も5件も借りている顧客が多い。借入件数の合計をみれば中小消費者金融の利用者の借入件数総計は純顧客数の数倍となる。融資残高の合計は少ないが借入件数だけは非常に密集したゾーンとなる。(借入件数の密集地)

以下空想…。
民衆(消費者)は危ない密集地(使い慣れているが早期に高利から切替られない中小消費者金融)から少し安全な過疎地(低利だが高枠の大手消費者金融)へ疎開していく。疎開列車への乗車券は半ば早い者勝ちの状況。自国へ利益をもたらす民衆(優良顧客層)は皆、もと居た場所からはなれ新境地へ…そして争いが終わり静けさを取り戻す頃を待つ。一方、疎開列車に乗れなかった民衆(他社借入件数が多い消費者)は空襲(予期せぬ事態)に襲われるかもしれない密集地に残り、「過払い返還」と書かれた竹槍を手に援軍を待つ。もと居た密集地は大国(法施行)による一撃一閃により焼失する。

時が経ち、争いが終わり、かつての密集地は焼野原となり
大国の配給とヤミ市場が混在するようになる。
そして、わずかに残った遺物…疎開列車(群集心理や消費者ニーズ)。
疎開列車はその焼野原へ新世代を求める人々を運ぶこととなる。
2006/05/15