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多重債務者の弁護士依頼について(コラム)

先日、全国放送の人気TV番組(人気弁護士が出演する番組)である若手弁護士が当該番組レギュラー出演する実力は弁護士よりも獲得報酬は多いというような発言があった。若手弁護士は自宅で仕事の依頼を受け細々と弁護士活動をしていたがたったの3年程度で池袋サンシャインに事務所を構え、総勢50人の事務所を運営するほどに成長した。在籍弁護士はその若手弁護士のみだとも言っていた。
【なぜ、そこまで儲かるのか?】
この若手弁護士は放送上、「ヤミ金と戦う正義の弁護士」とでもいわんばかりの過剰表現(TVらしい)がされていた。おそらく主体的な依頼は「債務整理」をメインにしているものと思える。債務整理といっても、自己破産、任意整理(弁済約束)民事再生などと分けられるが、この弁護士の所属する事務所が介入した際はほとんどが自己破産という手段を選んでいるとも聞く。最近の弁護士による債務整理の手段で目立つものは過払い金返還訴訟です。(出資法上限29.2%と利息制限法上限の18%の差額既支払い分を取引期間を目安に算出して場合によっては借入金の何倍もの金額を貸金業者から返還させるというもの。)戻った金額は成果対象金額なのでかなりの割合で弁護士の手元にお金が入るしくみだそうです。
債務整理に際して、弁護士に依頼する場合、まず相談手数料、依頼着手金、成果報酬と債務者側にはかなりの費用がかさむものです。しかし、この成果報酬(成果対象額に対して一定率の報酬を徴収する事務所や一律20万円など)を支払う能力のある多重債務者というのは実際どの程度存在するのか?という疑問がいつもつきまとう。
消費者金融側から「整理屋」とよばれるたぐいの弁護士事務所も多く存在し、多重債務者から多くの手数料を受け取り、金融業者へは介入通知を送るのみ。債務者が手数料を満額支払うまでは債務整理の法的手続きをしないといったスタンスの事務所もある様子。当然、未払いの手数料を残して多重債務者相手に仕事だけ先行させては弁護士事務所にもリスクが残るとは思う。しかし、介入後、手数料が明らかに払えないような状況の債務者へ弁護士費用を捻出するために新たな金融業者へ借入を促すような状況を生み出す交渉などは存在しないことを願いたい。多重の債務を整理するための手続きに必要な費用をさらに上乗せした債務で穴埋めするという行為が存在すれば、それは弁護士にとっての倫理観を失墜させる行為だと思えます。消費者金融の競争原理を探れば、このような手法もかなり儲かるとは思いますが…。