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【コラム】消費者信用団体生命保険について1

毎日新聞の記事に消費者金融が借りて(顧客)に対して生命保険を掛け顧客死亡時の保険金を受け取るという記事が掲載された。
1 団信保険導入への経緯
消費者信用団体生命保険について説明します。消費者信用団体生命保険は、保険契約者が指定する複数の生命保険会社共同で引き受ける事ができる契約形態の団体保険で、幹事会社が委任を受けて事務を行いますが引受会社はそれぞれ引受割合に応じて保険契約上の権利を有し義務を負うものであり相互に連帯はしません。
すこし、長い説明ですが要は保険会社の商品のひとつです。消費者金融業者は顧客の入会時(契約時)にこの保険に加入し、顧客死亡時や高度障害の際、残債務の支払いに保険受取金額を充当することを承諾させています。これは契約内容の中の1項目として団信保険を利用する業者の契約条項にはかならず記載されています。保険料を保険会社に支払うのは消費者金融業者なので当然、受け取り金は業者が受け取ればよいと思えるのですが倫理観をもってみるとこの行為が通常なのかどうか不明です。
消費者金融がこのような保険に加入し始めたのは平成5~6年頃だったのではないかと思い出します。保険料は前年度の保険金支払額(顧客死亡による保険金清算した債務の総額)に対して年度更新されます。保険料率は業者によってバラつきはありますが、死亡により通常の回収が不能になった債権総額と同等の金額を払っている業者が多いのではないでしょうか。金融業者としては死亡して家族からの回収が規正法などにより困難になりはじめ死亡=焦付きという関係式が成り立ちはじめた。(その昔は顧客が死亡したら家族に支払いをお願いしていた)焦付き債権は財務上の償却対象残高であり、償却用の損失引当対象になりうる。そういった中、税効果をあげるためには保険料を支払い、満額清算する方法をとることが良いと判断された。そこでこのような保険商品を付加して消費者信用貸借契約を結ぶようになりました。要は金融業者(経営者)にとっては「顧客の死」は自己破産や行方不明など債権回収不能となる理由のひとつでしかなく、いかなる理由でも回収手段および、財務上効果が見込める手段があれば良い効果のでる方法を選ぶ。つまり金融業者にとっては財務上、「顧客の死」は「自己破産」等よりも安定計上できる不良債権の理由のひとつでしかない。当然このような経営手法が蔓延し、いまや顧客が死ぬ=団信で充当という方法が消費者金融の営業現場でもあたりまえとなっていった。
営業現場ではこの保険を導入された直後、債務者宅へ支払い遅延の督促をどうすればよいのか迷いが生じたはずです。それまでは、死亡を確認すれば、少し時間をあけて親族の心の痛みが治まる頃に残債の説明をし、可能であれば清算協力を願うということもあったそうだ。本来この行為も支払い義務のない親族等に支払いを要求するという違法行為である。保険が導入され、家族へ死亡診断書の提供を単に依頼することが以降の回収手段へと変わった。当然、回収担当者も保険導入前と後では回収にかかる「労」が大きく変動したため、「顧客の死」に対する不安や情のようなものが業務上薄れていったに違いない。