|
座談会これまでの中間整理へ向けて@
2006/4/25
吉野座長の提出資料より ■はじめに 当懇談会においては、貸金業制度等のあり方を議論するに際しては、多重債務者の発生や増大をいかに防止するかという観点が重要であるとの認識を共有した。このほか、個人や中小企業に対する金融仲介機能の健全な発展という観点が重要であるとの意見もあった。 ・
多重債務者の発生や増大を防止するための対応としては、貸金業者に対する規制を中心としつつも、円滑な債務整理のための基盤形成、社会保障との適切な役割分担、金銭教育やクレジットカウンセリングの普及、貸金業にかかる犯罪行為の取締策強化等をあわせた、総合的な取組みが必要であることについて概ね一致した。 ・
貸金業者に対する規制については、貸付けの量と金利と期間の問題、貸金業への参入規制、貸金業者に対する行為規制、自主規制を含めたエンフォースメントのあり方など、様々な要素が相互に密接に関連しているため、全体としてとらえ、あるべき規制を整理する必要があるとの認識で概ね一致した。 ・
貸金業者に対する規制のあり方を考えるにあたっては、情報や交渉力の面で、業者と個人等の間には差があることから、より重い注意義務を業者側に課すという形で問題に対処することを基本とすべきであるとの意見があった。 ・
貸金業者に対する具体的な規制のあり方をめぐっては、 @
貸金業者、特に大手消費者金融業者による積極的な広告宣伝や商工ローン業者による過度の勧誘、提携先を含めたATMやインターネットなの利用を通じた過剰なアベイラビリティの供与により、需要が創出され、過剰な借入れが引き起こされているという指摘 A
本人の返済能力が十分でなくとも、他社借入れや親族等の立替払いにより返済される例があり、信用リスクが他に転嫁されているため、必ずしも価格メカニズムが正常に機能していないのではないかとの指摘等にも留意しつつ、検討する必要があるとの意見があった。
■供給者側(ひいては需要者側)への影響(ヤミ金融への流出論を含む) ・
上限金利の設定にあたっては、貸金業者への影響も考慮すべきであるとの意見があった一方、むしろ、それが結果的に需要者側にどのような影響を与えるのかが議論されるべきであるとの意見があった。 ・
無担保・無保証であること等による与信コストの高さを考慮すれば高金利はやむを得ず、また、上限金利を引き下げれば信用リスクの高い資金需要のニーズがヤミ金融に向かうとの意見があった。 ・
他方、ヤミ金からの借り手は、自己破産者や多重債務者という借金の返済に追われている人達であって、健全なニーズではなく、過去にヤミ金が増えたことと金利を引き下げたこととは関係がないとの意見があった。 ・
なお、大手貸金業者の調達金利は低い水準となっており、中小貸金業者の調達金利と異なるにもかかわらず貸出金利が近似しているのは、大手貸金業者に超過利潤が生じているということではないのかとの指摘があった。
・
貸金市場には他業態も参入しており、今後、顧客の利益につながる金利体系ができるので、金利規制の強化は必要ないとの意見があった一方、現実は上限金利に近い水準にあり、そうした金利体系ができるまでには相当に時間がかかるのではないかとの意見もあった。
|